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昭和のトラウマ ~後編

前回からの続きです 前編を読んでいない方はコチラから読んでください ←クリックで開きます






そんなある2学期後半の運命の日 5時間目 体育の授業中 

相撲 だったんですね 

ちゃんとした正式な授業科目だったのかちょっとしたレクリエーションだったのかは覚えてないんですが

なんだかトーナメントでクラス全員が相撲をとるんですよ

言ったとおり私は運動神経抜群ですから誰とやっても負け知らずですよ

そりゃ正直楽しいですよ ちょっと調子に乗ってたかもしれませんよ ええ

私にとっては半分遊びの感覚で超楽しい授業だったのですね

しかし授業を見ているゴリラの機嫌がなんだかとても悪そうで、皆ピリピリしてたんです

案の定ゴリラは授業を中断し、私たちを集合させ怒号を飛ばすのである


『お前ら、真面目にやれ』


一気に私語と笑顔のない修羅場授業と化すわけです

私も一体どうやったら真面目にやってるように見えるか模索しながら楽しい相撲をとってるんですよ

とにかくニヤニヤしないように気をつけながら


するとさっきよりも殺気を帯びた怒声が校庭に響き、生徒達は恐怖の視線をゴリラに集めるのだった

ヤバい この怒りは通常ではない 恐らく今までの中でも最大級である

これは間違いなく誰かがヤラれる 複数人 もしかしたら全員なんて事もあるかもしれない

そこにいた全員がそれぞれ最悪の未来予想図を描いていたはずである

私もさすがに緊張をしていた 背筋に悪寒を感じブルブルと震えていたのだ

何故かは解らないのだが、こういう時に真っ先に怒られるという実体験を過去にも持っていたからだ

もしかしたら調子に乗ってヘラヘラしてたのがゴリラの逆鱗に触れたのかも知れない

私たち全員、固唾を呑んでゴリラの次の言葉に耳を傾けるのだった



『TJ こっちに来い』




恐ろしい口調が私の耳の中でくり返しこだましていた

多くの生徒達を押しのけ、私の未来予想図最悪バージョンが採用されたようだ


や、やっぱり  オレひとりですか 


今でもハッキリと覚えている

足が震えていたんだ

一歩足を運ぶ都度ブルブルと恐怖の旋律が電気信号となって全身を走る

その足でゴリラの立つ砂場まで、まるでストップモーションのように歩み寄っていったんだ

潤い過ぎた視界には仁王立ちするゴリラが陽炎のように揺らいでいた

頭の中は真っ白だった その反面、体はビリビリしびれて異常に熱くなっていた




『先生と相撲をとれ』



全く言っている意味が解らなかった

ただ今まで最大級の恐怖であったビンタよりも更に上を行く仕打ちが待っているということは予想できた



薄れていく意識の中 オレはゴリラと相撲をした

勝てるはずのない相手に 全力でぶつかっていった

誰か母さんに伝えてくれよ 水戸黄門を観て待ってるはずさ

ちょっと甘えるかもしれないけれど 必ず泣くからそこで待ってろよ


全力でぶつかってもビクともしないゴリラの懐の中

1秒後に自分がどうなってるかも判らない恐怖で心臓の鼓動メーターは8000rpmを指していた

気が付くとゴリラは私の頭上から全生徒に向かって何か怒声を発していた





『お前らよく見ろ これだ お前らにはTJのようなガッツが無いんだバカヤロウ』












ガ━━Σ(゚Д゚|||)━━ン!!









ゴリラは本気で身体ごとぶつかる事のない当時の現代っ子を見て嘆き怒っていたのだ

ゴリラの凄まじい怒りから、この私だけは除外されているという事実にやっと気付いたのだった

というかゴリラがあんなに怒りオーラを出していなければ皆もっとノビノビと出来たんじゃないかと今になって思います


以下が私の心の声だ


なに?まさかこの状況からの大逆転かよ 

は~~~~ ウソだろ勘弁してくれよ こういうことは先に言ってくれよ もー でもよかったー

アンタが書いたシナリオ通りにオレが動かなかったらどうするつもりだったんだよバカヤロウ

オレだって萎縮するんだ 出来る事なら逃げ出したかったんだよ でもよかったー

こんな大役を事前の打ち合わせも無く遂行できたのは奇跡と言えるんだぞ

っていうかほぼドッキリカメラじゃんか マジで勘弁してくれよ でもホントよかったー・・・


しかし、ここでハッピーエンドとはならない ならないのだった


本来ならここで得意げに胸を張りたい場面なのだが、困った事に私には出来ない理由があったのだ

何故なら通常より5倍強の暖かく高貴で神聖なものがすでに尿道の先端から流れ出た後だったのだ

それは子供ながらに、恥ずかしい大きなシミとして外部に漏れ出している事をハッキリ自覚できる量であった

これはおもらしではない もっと高貴で神聖なものなんだ という男の美学を

あいつら小3レベルの脳みそで理解できるはずもない

おもらしにせよ、高貴で神聖なものにせよ、結果は全く寸分狂いなく同じ視覚効果を持つのだ


もし望むなら・・・・ 誰にも悟られる事なく隅っこの方で小さくなっていたいのだ 

そっとしておいて欲しいのだよ 解るだろう


こうして無事に誰一人としてビンタを食らう事無く、そして私はクラスメート全員から

『ガッツのあるおもらし野朗』 と印象付けられ、たたえられるのであった


残酷過ぎるぞ このゴリラ


もしも私が今、『貴方の人生での修羅場はどの瞬間ですか』

と問われたなら、迷わずこの瞬間と答えるであろう


しかし不思議な事に、今までの長い学生生活の中で多くの教師と出会ってきたが、

人間的に一番好きだったのはこのゴリラ先生だったなと振り返るのである

ちなみにゴリラは4年生になってもまた私の担任だったという事実を、この時点ではまだ誰も知らない

私は長い歳月をかけようやくこのトラウマを克服する事ができた

こんな面白い話しを私個人のトラウマにしておくのはもったいないだろう

私の愛する人達がこれを見て笑顔になってくれるのならそれだけで満足です 

ええ、『ゴリラ先生ありがとうございます』 と今なら言えますよ あーちくしょう


以上 その後の人格形成に大いに影響を与えたと思われる『昭和のトラウマ』でした

ご清聴ありがとうございました











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昔話

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